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【感想】ゆるキャン△は引きこもりをもアウトドアにさせる!?可愛い日常アニメ

 

ども!てばさきです。

可愛い女の子達がただただ無益な( )時間を過ごしながらキャッキャッしてるゆるい日常アニメっていくつかありますよね。

癒されるし可愛いしで私も好きな作品がいくつかあるのですが、ここ最近のまんがタイムきらら系のアニメは全てイマイチだなぁというのが正直なところでした。

ところが!ひっさしぶりに刺さる日常アニメキターー!!!と大興奮した作品があります。

そう、その作品こそがゆるキャン△というわけですね。

ゆるキャン△のあらすじと概要

ゆるキャン△は2018年冬に放送された深夜アニメです。

原作は『まんがタイムきらら』に掲載された漫画作品ですね。

(※4コマ漫画ではありません)

あらすじはこんな感じです。

これは、ある冬の日の物語。静岡から山梨に引っ越してきた女子高校生・なでしこは、“千円札の絵にもなっている富士山”を見るために自転車を走らせて本栖湖まで行ったものの、あいにく天気はくもり空。富士山も望めず、疲れ果てたなでしこはその場で眠りこけてしまう。目覚めてみるとすっかり夜。初めての場所で、帰り道もわからない。心細さに怯えるなでしこを救ったのは、1人キャンプ好きの女の子・リンだった。冷えた身体を温めるために焚き火にあたる2人。ぱちぱちと薪の爆ぜる音が、湖畔の静寂に沁み込んでいく。焚き火を囲み、カレー麺をすすりながら会話するなでしことリン。やがて2人が待ちに待った瞬間が訪れる。「見えた……ふじさん……」なでしことリン、2人の出会いから始まるアウトドア系ガールズストーリー。(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル 引用:Amazonプライム・ビデオより

アウトドア系ガールズストーリーか。言い得て妙ってやつだな。

ちなみに現時点で既に2期と劇場版の放映が決定しています。

う~ん。これは楽しみにせざるを得ないですねぇ。

ゆるキャン△の感想

ゆるキャン△は何気ないゆる~い作品のように思えるかもですが、これまでの日常アニメには無い新しさを見出せる作品だなぁと感じました。

今までとは違う有益な日常アニメ

ゆるキャン△はその名の通り、キャンプを題材した作品ですよね。

なので基本的にはキャンプをするにあたっての知識が多く取り入れられています。

と言っても、キャラが実践しながら準備をするので「こんな感じでやるんだな~」みたいにあまり気負わずその様子を観察してるようなゆるさがあるんですよね。

必要最低限の補足的な説明は、ちびま◯子ちゃん風のナレーションと共に有益な情報を与えてくれる仕様となっています。

ゆるキャン△の面白いところは、そういった知識満載のキャンプアニメでありながらも、オタクの需要を満たした日常アニメでもあるということです。

似たような作品で「ヤマノススメ」がありますけど、あれは知識ありきでストーリーはサブ、しかも完全な初心者には少し取っ付きにくい印象を受けました。

ところがゆるキャン△は私のような引きこもりオタクでもキャンプ用品を調べてしまうほど訴求力のある作品でしたね。

それはきっとストーリーやキャラクター性、クスッと笑える小ネタなバランスが良い上でもキャンプ知識を伝える構成だからなのでしょう。

わくわくするけど安心感のある世界観

新しいことを始める時って誰しもわくわくドキドキするものです。

ゆるキャン△の醍醐味は、なでしこを通して私たち視聴者に新しい世界を見せてくれることなんですよね。

なでしこと自分を重ね合わせて「キャンプって意外と楽しいかも。やってみたいかも。」と思わせてくれるんですよ。

これは正しく一世を風靡した人気アニメ「けいおん !」と全く同じやり口なんですよね。

けいおんの影響でギターやベースを始めた人は数知れず、作中と同じモデルの楽器はそれはもう飛ぶように売れましたよね。

あれはきっと主人公の唯が全くの初心者で、何か新しいことを探していたからこそ、唯を自分を重ね合わせることができた。そして一念発起してギター練習したいと思わせてくれたわけです。

それだけではなく、当時はきっと軽音なんてオタクには関わりのない世界だったと思うんですよ。だから真新しさに心を掴まれたわけです。

ゆるキャン△も同じく、基本的にインドアのオタクにはキャンプなんて全く知らない世界なんですよ。

更にゆるキャン△はオタクへの訴求力を高めるある要素を持っていました。

それが『冬キャンプ』という世界観…いや、キャンプ観です。

ソロキャンパーの凛が冬キャンプの良さを語るシーンには妙に納得感がありました。

「虫がいない」

「汗かかない」

「他のキャンパーが居なくて静か」

「焚き火と温泉が気持ちいい」

「景色が遠くまで綺麗に見える」

「汁物がウマイ…ってところかな。」

これって基本的に「キャンプは友達いっぱい居るパリピがやるもんでしょ?」と思い込んでいるオタクの固定概念を見事にぶち壊しているんですよね。

「キャンプ場って冬だと人が少ないのか。だったら凛ちゃんみたいに一人でのんびりキャンプするのも悪くないかもなぁ。寒い外であったかいもん食べたらウマイだろうし。」なんて思っちゃうわけです。

ここまでハードルを下げてこられると、興味を持たざるを得ないってもんです。

後はキャンプがてら温泉とか巡ってるのもかなり掻き立てられましたね。

インドア派は大抵温泉好きですし、夏場だと絶対に味わえない世界観です。

それに冬キャンプの設定のお陰で、キャラの服がめちゃ可愛いんですよね。

マフラーグルグル巻きもニット帽もみんな個性的な服装で好きですね。

冬キャンプの世界観がここまで刺さるとは、作者は天才ですね。アニメ化に感謝です。

ご都合展開のない現実主義

私がゆるキャン△を観てて結構驚いたのが、お金持ちのメインキャラクターが1人も居ないって部分でした。

凛も千明もあおいも、キャンプ用品代を賄うためにバイトしていましたし、凛なんて原付の免許まで取得してキャンプ場まで足を運んでいたではありませんか。

(やりたいことに口出ししない親も素敵だなぁと思いました。爺ちゃんもキャンパーだからなんだろうけども。笑)

なでしこのお姉さんの車は例外としても、物語を円滑に進めるためだけのご都合展開はあまりなく、苦労しながらやりたいことのためにお金を捻出している姿には心打たれました。

ご都合展開やお金持ちキャラが悪いわけではありませんが、何かを始める時、挑戦する時には必ず元手が必要だし、それを本来親や他人がポンと用意してくれるはずないんです。

こういった楽しい世界を魅せる作品であっても「やりたいことをやるのって、決して楽しいことばかりではないんだな」と思わせてくれることには十分な価値があると私は思いますね。

なかなか揃わないメインキャラクター

私がこの作品を面白いなぁと感じた最大の理由が、なでしこと凛が行動を共にするキャンプ仲間にすぐにはならなかったという点です。

第一話でなでしこと凛が出逢った時点でもう、「あ、この後この2人が出逢って一緒に部活やるんだね。なるほどね。」なんて浅いことを思ったわけですけど、まあその予想は全然的外れだったわけですよ。

それもそのはずで、凛はそもそも一人でキャンプをするソロキャンプを楽しんでいたのですからそりゃあ部活動なんぞに所属しているはずがないわけです。

対してなでしこはキャンプ初心者ですし、教えてくれる指導者が必要なわけです。

それに加えてあの性格ですから、誰かと楽しくキャンプしたいタイプですよね。完全に。

この相反する2人が別々の世界線でキャンプを楽しみ、たまに交わるってスタイルがなかなかに焦ったくて堪りませんでしたよね。

登場人物が最初から揃っているような作品って個人的には微妙な場合が多いので、ゆるキャン△のこの焦らしてくる感じは凄く好きでした。

キャンプを俯瞰してみている凛の友達の斉藤さんもいつ関わりを持つのかな~と楽しみでしたしね。(なんかいつの間にか自然に混ざってたのは笑ったけど。笑)

なでしこにキャンプの楽しさを教えた凛が、そのなでしこに誰かと一緒にキャンプをする楽しさを教られているといった構図も良かったですね。お互いに新しい世界を知るきっかけになれたというか。

視聴者である私も、一人キャンプの良さ、大勢でのキャンプの良さという違った視点での楽しみ方を知ることが出来ましたしね。

ゆるキャン△のキャラクター

この作品のメインキャラはみんな個性的で可愛くて大好きですね。

なでしこと凛、凛と斉藤さん、あおいと千明、野クルメンバーと、それぞれに絡みがありますし、交わるときもわざとらしくない自然さが好きですね。

こういった百合系(?)日常アニメで無駄なイチャイチャ(抱きついたり)がないのもこれまた珍しいなぁと。

私たちオタクに変に媚びてないところがゆるキャン△の良いところですよね。

新しい属性?ソロキャンパーリンちゃんの魅力

ゆるキャン△の目新しい部分としては、これまでに居なかったであろう新属性のキャラクターが居たことにあります。

そう、ソロキャンパーリンちゃんの存在です。

あのジト目で無口でクールでツンデレで読書が好きそうなビジュアルでありながら(全部主観です)、ギャグセンの高い的確なゆるいツッコミと好奇心旺盛さから来る底知れぬ行動力…

そして何よりも、決して大袈裟ではないのに感情の起伏が目に見えて分かっちゃうんです。(こちらには心の声が聞こえてますからね…ふふふ…)

リンちゃんがワクワクしてたり、感動してたり、嬉しかったりする瞬間って、騒いだり大きな声出したりするわけではないのに何故か一緒の気持ちになってしまうんですよね。

テンションの振り幅は一見狭く見えるけど、ちゃんと伝わる不思議。

そんなちょっとクールなのに感受性豊かなリンちゃんが、なでしこ相手に徐々に心を開いていく過程がこの作品の見どころひとつでもあります。

本来であればハイテンションななでしこと物静かなリンちゃんは相容れないタイプ同士だったはずです。

実際出会った時も最初はスルーの上に致し方な~く助けた感じですし、学校で再会した時も「見つからないように気を付けよう」と言ってたくらいですし。

あの大垣千明が苦手なら、同じ部類のなでしこも関わりづらい存在だったことでしょう。

でもそんななでしこと成り行きとはいえ一緒にキャンプをすることで、リンちゃん自身に大きな変化が見られるようになりました。

その変化の代表的な出来事が、”なでしこが風邪を引いてソロキャンプをすることになった瞬間”です。

これまでずっとソロでキャンプしていたはずなのに、何故かどことなく寂しい。そんな気持ちを抱いていたように見えました。

リンちゃんは幾度かの二人キャンプを通じて『なでしこと一緒にキャンプする時間が楽しい』と感じるようになったわけです。

そう思えた理由は、リンちゃん本人と同等かそれ以上になでしこが”キャンプを楽しんでいる子”だったからなんだと私は思います。

車で寝てて見逃した富士山を見るために自転車漕いで山を登る気概だったりとか、やたらウマそうに飯を食う食いしん坊なところだったりとか、でっかい鍋持ってソロキャンしてるリンちゃんのところへやってきたりだとか。(特になでしこの飯テロは視聴してるこちら側にも効果テキメンです。めっちゃ腹減る…)

そんなひとつひとつのなでしこの行動にリンちゃんは感化されたんだと思います。

誰かとキャンプするのは初めてのことだったようですし、新しい世界観を魅せてくれたのがなでしこだったということですね。

なでしことの対比で楽しむ斎藤さん

個人的にゆるキャン△の気になるキャラといえば、もっぱらの帰宅部でキャンプとは縁の薄そうな斉藤恵那ちゃんですね。

斉藤さんの立ち位置というと、リンちゃんのソロキャンプに干渉せず見守る友達役であり、なでしこと野クルをリンちゃんと繋げるパイプ役でもありました。

ですがそれ以外にも、斉藤さんにはなでしこと対極した大きな役割を担っていたように感じました。

元々はキャンプ好きのリンちゃんと仲良しなのですから、キャンプに興味が無いわけではないはずなんですよ。あの子。

リンちゃんに次に行くキャンプ場を聞いたり、「私もチクワ(犬)連れて行ってみようかな?」と言ってみたり、何度かキャンプ用品に興味も持っていました。

それでも動かない理由。それは『寒いのが苦手』『寝ることが何より好き』といった共感性バッチリの引きこもり気質にあるんですよね。

おこがましい限りですが、斉藤さんは引きこもりオタクの自分を模倣しているようでして……

彼女もまたなでしことは違った視点の「キャンプ初心者」としての立ち位置だったのでしょうね。

なでしこが変化を楽しむ好奇心旺盛な体力オバケなら、斉藤さんは興味はあってもキッカケが無いとなかなか動けない、安定を大事にするタイプです。

ある程度年を重ねていると、ほとんどの人はどうしても後者のような安定タイプになっちゃうと思うんですよ。私みたいな。

そんな私達へアピールするために、なでしこと斉藤さんにはそれぞれ異なる重要な役目があり、それを一言でいえば「なでしこで興味関心を、斉藤さんで不安を取り除こう。」ってことなんです。

その証拠に、斉藤さんがクリキャンのために4万5000円の寝袋を用意してたじゃないですか?

アレ見て「あっ。自分も寒いの苦手だけど、こんな良い寝袋あるなら冬キャンプ挑戦できるかも。(高いけど)」って思った人結構いると思うんですよ。

『冬キャンプ×寒がり』っていうマイノリティー向けの視点も用意してくれているこの作品、いい意味で恐ろしいですね…

(キャンプは寝袋必須みたいな刷り込みがあるのも恐ろしい。夏は最悪なくても大丈夫なのにね。笑)

ゆるキャン△の気になる点

ゆるキャン△は総合的にほぼ完璧と言える程良くできた作品ですし、モヤモヤする部分はハッキリ言ってないんですけど、ちょ~~~っとだけ気になった部分を敢えて取りあげてみました。(めっちゃ些細なことだったりする)

あおいと千明の馴れ初めは?

野クルを立ち上げた犬山あおいと大垣千明に関してですが、その理由や経緯は本編中では明らかにされていません。

同じ中学だったようですが、二人が出会ったキッカケも気になっちゃいますね。

というか、個人的には幼馴染(?)設定にするなら過去エピソードが無いと満足出来ないタイプでして…

何故二人が部員も募集せずにこじんまりとサークルを作るほどまでに仲良しなのか、その根拠が欲しいんですよ。

ゆるキャン△は無駄にイチャイチャすることが無いからまだ良いんですけど、根拠が無ければただの上っ面だけの仲良しごっこになりがちなんですよね。

幼馴染で悪い例を言えばラブライブサンシャイン!の千歌と曜ちゃんですかね。(毎回ディスって申し訳ないが)

あの二人の過去シーンと言えば、小さい頃に果南ちゃんを交えて川に飛び込むシーンくらいなもんです。(必要なのかどうかも怪しい…)

二人が出会った時のエピソードのが必要でしょ???完全に。

それも無しに二人が仲違いする話とかあっても、全く心に刺さらないんですよね。

逆に良い例がけいおん!の澪とりっちゃんですね。

りっちゃんが澪ちゃんに話しかけるシーンがありましたし、軽音を始めたキッカケとなったようなシーンもありました。

二人が喧嘩?する話がありましたけど、その基盤として過去エピソードはかなり効いていたように感じました。

このように断片的でも構わないので、やはり出会った頃のエピソードやキャンプを始めたキッカケの話があると嬉しいですね。

それがあることで、あおいと千明のことをもっと好きになれそうな気がします。

鳥羽先生(グビ姉)酒飲んでええんか

野クルの顧問になったグビねぇこと、鳥羽先生に関してですが、、、クリキャンの時、普通に飲酒しとるぅ~~(真顔)

はい、そんだけです。笑

いやでも実際、野クルのメンバーがみんなしっかり者で自立してるからこそ出来ることですよね。

焚き火してた時もちゃんと許可取ってやってたし。ホントしっかりしてるわ…

学校の人にチクったりするような子達じゃないし。(そう信じたい…信じさせてくれ…)

自分が高校生の頃って体系的にも精神的にも、こんな自立してなかった気がする。

むしろ大学入っても他人任せでしか行動できなかったくらいですから、高校生が自身に責任持って好きなことに打ち込んでる姿を見ると感慨深いものがありますよね。

いやぁ、改めて自分が恥ずかしくなっちゃいます。

まとめ:ゆるキャン△は引きこもりでも楽しめる要素満載の温泉飯テロ癒しアニメ

そんなわけで、日常アニメとしては個人的にけいおん!以来の超良作だったと思いますね。

フルスイングのギャグがあるわけでもないのに、クスッと笑ってしまう掛け合いが好きで、たびたび癒されました。

冬キャンプに飯テロ、温泉といったコンボもほっこりと楽しめる要素になっていたのではないでしょうか。

珍しくアウトドアな気分になれたので、地元のキャンプ場でも調べてみようかなと思います。

2期と劇場版も楽しみに待機しております!

ではまたノシ